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1985年に登場した7代目モデルの「スカイライン(HR31型)」モデル末期の1988年に限定車で登場したのが、「スカイライン GTS-R」です。車種名の「S」がなければ「GT-R」になったスカイラインですが、レース参戦用として参戦基準を満たすために800台限定で販売されたクルマです。
1988年に登場ということで、翌1989年に登場の3代目「スカイラインGT-R(BNR32)」の開発も完成一歩手前という時期となっています。発表当時は「RB20型」エンジンという直列6気筒DOHCや「GTS」においては70km/hでフロント下部から出てくる「オートスポイラー」が特徴的でした。ツーリングカー選手権のグループAで活躍しましたが、その際の開発が「GT-R(BNR32型)」にもつながったようです。また「GTS-R」においては、「RB型」エンジンやターボシステム、アテーサシステム開発が進み「BNR32型」で完成度の高いドライブトレインとなったようです。「RB」という6気筒DOHCエンジンを搭載し、「GT-R」になる資格はあったのかもしれませんが、エンジンのパワーだけでなく駆動方式がすべて一新されて最先端を行った3代目「スカイラインGT-R(BNR32)」に比べると、開発途上にあったモデルといえます。なお、7代目モデルの「スカイライン」の「欧州ツーリングカー選手権(ETC)」に出場した「GTS-R」は、社内クラブ「日産名車再生クラブ」で2017年にレストア対象となったクルマです。GT-Rを名乗れなかったものの、再生すべき価値のある名車ということが認められ、多くの人の印象に残っているクルマといえます。
800台限定モデルの「スカイラインGTS-R」は、現在の生存台数は300台くらいと言われている貴重なモデルです。
しかし、このカスタムマシンのオーナーは、職人の手により鈑金溶接で造形した、リヤ片側85mmワイドのブリスターフェンダーへとカスタマイズしています。サイドステップは加工流用品で、リヤサイドのカナードは自作ということです。またサーキット周回走行時には前後ともワーク10Jに、クムホ285/30R18を装着できる設定としているようです。
インテリアデザインは、ナルディステアリング、バケットシート、追加メーター、ロールケージとサーキット走行のためのパーツとオリジナルを残したカスタマイズが施されています。
エンジンは埼玉県のチューニングショップ「ブラックライン」社の手により「RB26DETT」型エンジンへと換装され、エンジン内部の強化とT88タービンにより640psものハイパワーを発揮する仕様へとセッティングされています。今後はドグミッション導入とさらなるパワーアップも検討中とのことです。エンジンは「RB20DET」型エンジンから「RB26DETT」型エンジンへ換装ということですが、内部はN1ピストンとH断面コンロッドを組み込んでいます。16Vに昇圧した点火システムによる高回転域の安定性が図られています。また、これらの制御システムはHKSのF CON Vプロということです。