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「マツダ」は、ロータリーエンジンの小型・軽量・高出力の特長を活かすために、「RX-7(開発コード:X605)」を開発することになり、1978年3月30日に「サバンナ:RX-3」の後継モデルとして、初代モデルとなる「サバンナ・RX-7(SA22C型)」がデビューしました。プラットフォームは、「マツダ・SAプラットフォーム」が用いられ、エンジンは「12A型」の水冷2ローターエンジンの自然吸気(NA)仕様を搭載しました。エンジンのポテンシャルは、最高出力:130ps / 7,000rpm、最大トルク:16.5kg・m / 4,000rpm、パワーウェイトレシオは、7.6~7.8kg/ps(ターボモデル:6.18kg/ps)でした。まさに、ピュアスポーツカーとしての確固たる地位を築いた「SA22C型:サバンナRX-7」。
ハンドリングマシンとしてのポテンシャルを持つ「SA22C型」は、重量配分が50:50(50.7対49.3)に近く、海外でライバルとされた「ポルシェ・924」がフロントエンジンでトランスミッションをリアに配置することで前後の重量バランスを取っていたのとは違い、重量物を中心に集められるロータリーエンジンだから実現できたレイアウトであり、マツダも『Designed by Rotary』と謳っていました。そういったピュアスポーツとして人気は現在でも高いモデルですが、搭載される12Aの純正パーツがすでに生産中止となっていて、入手が困難となっているのです。そのためにスワップ仕様のカスタマイズも多く存在する「SA22C型」。今回のカスタムマシンとして登場する「RSパンテーラ」社のマシンは、現在でも純正パーツが入手可能な「FC3S型」用の13Bターボエンジン換装されています。
13Bエンジン換装は、パーツ供給の安定化以外にも12Aの573㏄×2から654㏄×2とローターサイズがアップすることにより、1トンほどの「SA22C型」には十分すぎる低速トルクを得られるというメリットがあるということです。さらにこの車両の場合は、ポート形状とタイミングを変更することで、ブースト圧を抑えて耐久性を高めながらも442psというハイパワーを得ておりポテンシャルも大幅な向上を遂げています。
ミッションに関しても「SA22C型」純正より強度に優れる「FC3S型」用を搭載しています。そのために、そのまま載せるとシフトレバーの位置が異なってしまうため、ミッション側を加工し、違和感なくシフト操作ができるように調整済みということです。こうして完成したマシンは、走行中でもアクセルを強く踏み込めばリアタイヤを簡単にホイールスピンさせることができるほどのじゃじゃ馬に変身しています。
当時からレアだったSEリミテッド純正の2トーンカラーは、現在では台数も少なく貴重なためオールペンは考えていないという。ERC製FRPボンネットはアウトレットダクトから熱気を放出し、水温安定化に貢献しています。
オーバーホールと同時にポートタイミングやサイズも変更しており、重量バランスを揃えた低圧縮ローターが組み込まれています。最高出力:600psほどまで発生可能だというターボネティックス製タービンはブースト圧0.8キロでも442psを発揮します。
サクションパイプはアルミ板を曲げて2枚合わせで製作することで、太さが一定になり圧損を減らせるということです。コイルやイグナイターなどの点火系も「FC3S型」用を移植しています。
12A型ロータリーエンジン用のフロントカバー内部を加工して13Bエンジンと組み合わせることで、マウントを変更することなく搭載。電動ファンはF-CON Vプロで制御して水温を安定させています。
エキマニやフロントパイプ、マフラーもワンオフ製作。音量を抑えながらも、パワーに見合った排気効率を確保しているということです。
当時としては高級感溢れるカラーを採用していたSEリミテッドの内装となっています。センターコンソール周辺の追加メーター以外は当時の雰囲気をそのまま残しているということです。
ダッシュパネルのセンターには大型タコメーターを装着。油温、油圧、水温メーターなど以外に、ストリートマシンには欠かせないカーナビも装着されています。
フロントストラットは「R31型:スカイライン」用を使用してブレーキは「R32型:スカイライン」用キャリパーとローターも移植しています。ホイールはRSワタナベ製で、キャリパーに接触しないようにスペーサーをセットしています。
エンジンルームにバッテリーを配置するスペースがなくなってしまったことから、トランクに移植しています。リアの重量が軽いため、少しでも重量物を乗せてトラクションを稼ぎたいという思いもあるということです。