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あらゆるスポーツカー、チューニングカーにおいて要となるエンジン。レスポンス、パワー、トルク、強度、重量などチューニングベースとして好まれてきた名機と呼ばれるエンジンは、現在でも人気がありチューニングパーツが発表されるほどです。そのような名機と呼ばれる、多くの車好きを魅了してきたエンジンに注目してみたいと思います。今回は「トヨタ・4A-GE」エンジンに注目したいと思います。クルマ好きにとっては説明不要ともいえる名機。排気量1,600ccで直列4気筒DOHC16バルブというテンロクユニット。「2T-G」エンジンの後継として開発され、ベースエンジンは、排気量1,500ccの「3A-U」のSOHCエンジンでした。それをDOHC化、吸排気それぞれ2バルブ化し16バルブとした「4A-GE」エンジンを初搭載したマシンは、1983年5月にデビューした「AE86型:カローラレビン/スプリンタートレノ」でした。この「AE86(ハチロク)」が、走り屋やモータースポーツで活躍、また漫画「イニシャルD」で人気が再燃し現在でも多くの人を魅了しています。では、どのようなモデルに搭載されていたのか、下記は「トヨタ・4A-G搭載車リスト」としてみてみましょう。
初搭載されたAE86型のレビン/トレノ。同じ時期のカローラはFF(前輪駆動化)されていましたが、レビントレノはFR駆動を継続、そしてスポーツユニットの4A-Gが搭載され、軽量な車体と相まってモータースポーツで活躍しました。
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60型系の「セリカ」は、「よろしくメカドック」で登場した「セリカXX」やWRCをFRで戦った「セリカ・ラリー(TA64型改)」などのマシンがメジャーですが、「4A-G」搭載の4輪独立サスペンションにFRモデルということで忘れてはならないのが、「AA63型:セリカ1600GT-R(通所:ブラックマスク)」です。
希少車ゆえに中古価格は、150万円~ASKという相場です。
こちらは4輪独立サスペンションの優位性を「足のいいヤツ」というキャッチコピーで登場した「AA63型:カリーナ」シリーズ。2ドアと4ドアがありますが、4ドアモデルをカスタマイズしていた個体が多かったように感じます。
中古価格ですが、2ドアはほぼ流通しないです。4ドアだと70万円~ASKという相場です。
アメリカ車に見られるようなフロントセクションやリアのデザインが特徴的な「AT141型:コロナ」シリーズ。カスタマイズすると2ドアモデルなどは街道レーサーのような雰囲気になります。
ほぼ流通することはないといっても過言ではないモデル。4ドア/2ドアモデルともに市場に出回ることがあれば、100万円~ASKという相場のようです。
FFとなった「T160系型:セリカ」。WRCで活躍した2,000ccの「GT-FOUR」が有名ですが、1600ccモデルも存在しており初期モデルは「4A-G」を搭載していました。
「GT-FOUR」と異なり、4A-G搭載モデルは流通皆無です。エンジンが名機ということもあり50万円前後が相場のようです。
MRスポーツモデルとして登場した「AW11型:MR2」。横置きの4A-Gで型式に「L」という文字が入っています。その他は「AE86」と同スペックのエンジンです。
同じ4A-Gエンジンでもヘッドカバーに赤文字が入ったエンジン搭載車を下記にリストアップしています。
このモデルから工藤が「FF」となった「レビントレノ」。エクステリアデザインでは、「レビン」は人気があり「ソアラ」のようなデザイン。「トレノ」は「S12型:シルビア」にも似ているデザインでした。
下記は「キューニー前期搭載車リスト」と搭載車の中古車相場です。AW11型のMR2は中古車流通量としては、その他のキューニー前期搭載車に比べて少し多いように見られます。
キューニー後期と呼ばれる「AE92後期型:レビントレノ」に搭載された4A-Gエンジン。特徴としてピストン形状がハイコンプレッション(高圧縮)仕様となっています。
この型の「4A-G」からバルブ数は16バルブから20バルブへ通称「5バルブ / 銀ヘッド」となり、スロットルも4スロットル仕様へとアップデートされました。これによって最高出力、最大トルクともに向上されています。
4A-Gとして成熟された「通称:黒ヘッド」。より高回転化によって最高出力を向上させています。
「AE111型」に関してみると、20万円~160万円くらいで流通していますが、平均相場は60万円前後といったところです。
1980年代はパワーウォーズと呼ばれ、自動車界の各メーカーがエンジンパワーを引き上げるためにターボチャージャーやスーパーチャージャーを装着した時代。その時代に4A-Gも登場しており、パワーウォーズにスーパーチャージャーを装着して挑んでいきました。下記は「スーパーチャージャー装着4A-G搭載車」です。
4A-G型エンジンの基本設計が現代のエンジンと比較してシンプルな構造であり、競技用のチューニングベースとして人気です。20バルブ仕様は燃焼室の形状の複雑さゆえ圧縮比を上げるとノッキングが発生しやすく、チューニングには組み付け精度と加工技術が必要とするものの、クランクシャフト・コネクティングロッド・ピストン等は優れており、16バルブ仕様は燃焼室の形状がシンプルゆえに圧縮比を上げるのが容易ということです。
チューニングする方法としてAE92後期のヘッドと20バルブの腰下をベースに仕上げる方法があるものの、複雑なうえ耐久性に問題があるようです。シリンダーブロックの強度を検証すると、200馬力を超えたときの耐久性が極端に低下するということです。自然吸気のものはベースが基本的に3A-Uや4A-ELUと同等であり、20バルブのものはリブ形状からスーパーチャージャー用と同程度の強度を保っているとされています。またアフターマーケットの一部では排気量をアップして4.5A-G、5A-G、5.5A-G、7A-G、8A-Gと名づけられたチューニングエンジンが存在する事が知られており、それぞれの内径×行程/排気量については下記のようになっています。
これらはトヨタのエンジン名称規則から外れた名前で呼ばれているため誤解を生むケースも多々あるものの、概ね名称規則から大きく逸脱していないために俗称として呼ばれています。また、4A-GEUと4A-GELUの違いはエンジンの搭載方法が縦置きか横置きかの違いだけであり、縦置き形式のエンジンの生産が終了した後には”L”の表記は無くなっています。