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オークションといえば、日本では何でもありのネットオークションが一般的で、本格的なオークションへの参加が認められているのは業者のみ、しかも一般に向けては閉鎖的な環境で行われていることがほとんどです。一方海外ではオークションはイベントとしてオープンに行われている場合も多く、とくにクラシックカーの売買は自動車文化と歴史に触れ、そしてクルマの価値を間近に感じられる極上のエンターテインメントとして定着しているという人気です。日本でもオークションをオープンな場所で開催することで、クラシックカーの持つ魅力や価値を日本でも根付かせたい、と立ち上がったのが、トータル・オート・カンパニーとして関西を拠点にカービジネスを展開する『GLION GROUP』です。そして、今回2018年の11月30日(金)と12月1日(土)の2日間、同社が運営&管理する大阪市港区・赤レンガ倉庫のビンテージカー博物館「GLION MUSEUM」において、日本最大級のクラシックカーオークション「ART HARBOR OSAK CLASSIC CAR AUCTION at GLION MUSEUM」が開催されることになりました。
最近、日本でこうしたオープンなカーオークションが増えつつありますが、その背景の一つにコレクターの高年齢化が挙げられているということです。クルマ趣味を楽しむコレクターが引退することはクラシックカーの価値をわかる人がいなくなるということです。そうなる前に、海外のようにオープンなカーオークションを行うことで、そのクルマが持つ歴史的な価値を多くの人に理解してもらい、後世に受け継いでもらおうというのが目的です。
また、こうしたコレクターが所蔵の愛車を処分したくても、これまで日本には個人に簡単に手放せる環境が少なかったため、自分のコレクタブルカーにどこまでの価値があるのか、ないのかが、目で見て判断できなかったという背景がありました。
例を挙げると日本の至宝で「日産:スカイラインGT-R」は現在、約50年前の3代目の「ハコスカ(KPGC10)」が1,500万円~、45年前の4代目の「ケンメリ(KPGC110)」に至っては3,000万円~という相場で取り引きされていますが、ほとんどが業者を仲介し、クローズなカーオークションで取り引きされているというのが現状なのです。ただ、クルマを知らない一般人にとってはただの古いクルマであり、その価値はまったく理解されていない。しかし、個人が気軽に出品できるオークション(一般の人が現場を見学できるようになればベスト)があれば、公正明大に価値がハッキリとします。さらに、それが公に認められることになれば、その価値は普遍的、かつグローバルなものになるということです。今回、開催されるオークションは先に挙げた日本における自動車文化の浸透&継承と現在、クラシックカーの市場の問題を解消し、その価値を広く一般に認知させるが目的です。そのため、年に数回、継続的開催を予定しているということです。
出品車両は基本1970年代以前に歴史を飾った味わいのある名車で、市販車、レーシングカーは関係ないということです。現在、オーナーの愛情が注がれた貴重なクルマが集まりつつありますが、これに「GLION MUSEUM」が所蔵する博物館級のコレクションも加わり、数十台に及ぶバラエティ豊かなラインアップになるということです。
取引の公正は競りによる入札価格と手数料、そして売買の場を提供する中立な立場のオークションハウスによる車両解説、事前のコンディション確認によって保たれる。そして、オークション進行は世界的にも有名なイギリスのオークションハウス「クリスティーズ」と契約するフリーランスオークショナー「ヒュー・エドミース」が取り仕切ることになっています。また、今回は残念ながら一般来場者がオークションを見学することは叶わないが、11月23日(金・祝)~11月29日(木)に出品車両が「GLION MUSEUM」に勢揃いする下見会ヘの参加は可能ということです。多くの人を魅了した世界の名車を眺め、自動車文化と歴史に触れる絶好のチャンスです。なお、同時にコンテンポラリーアート(現代美術)を集めた「アートフェア」も開催されます。そして、今回のオークションで注目のスポーツモデルが下記の個体です。
貴重な初代モデルとなる「日産:シルビア」が登場予定です。このモデルは、「ダットサン・フェアレディ」のシャシーをベースに新開発の1600ccエンジンにSUのツインキャブを組み合わせ、定員を2人に「クリスプカット」「クリスプルック」と呼ばれた職人の手溶接でボディパネルのつなぎ目を極力無くした斬新なスタイルが特徴となっていいます。
OHVながら90馬力を出したR型新エンジンや、国産初のポルシェタイプサーボシンクロ式トランスミッション、日産初のフロントディスクブレーキなどを採用し、インテリアにはレザー調のシートやウッドを多用しフォーマルにも使えるスポーティカーとして注目を集めました。
しかし、その装備やセミハンドメイド工程の手間から価格は「セドリック」よりも高く「410型:ブルーバード」のほぼ倍の価格となり販売戦略的には不振、「ブルーバード」が輸出も含め約30万台生産されましたが、この初代モデルとなる「日産:シルビア」は僅か554台の生産でした。アメリカやオーストラリアでも個体が確認されており国内に動態で残っているものは50台ほどではないかと推測されています。
予想落札価格:570万円~690万円
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初代モデルの「日産:スカイラインGT-R」ですが昭和47年2月に初度登録を受けた個体です。
1197台が生産されたとされる「KPGC10型」の中の一台です。今や国内はもとより、海外のコレクターからも注目の的になっているのが、この「ハコスカGT-R」です。
軽量なボディに当時の粋を注ぎ込んだストレートシックス(S20型エンジン)のGTカーです。ある部分粗削りなところもあるでしょうが、だからこそクルマ好きの心に素直に響くものがあるのかもしれません。
予想落札価格:1,550万円~1,650万円
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この昭和45年式の「トヨタ:2000GT」は、「トヨタ自動車」と「ヤマハ発動機」が共同開発し、「ヤマハ発動機」への生産を委嘱して1967年から1970年まで生産されたスポーツカーで、当時は世界記録を樹立した日本を代表する名車です。
映画「007」シリーズにもボンドカーとして発売前に登場しました。市販されたクルマはクーペボディのみでしたが、撮影には特別制作されたオープンボディが用意されました。
こうして発売前にコンセプト・モデルがプロモーションに使われるという手法も当時としてはとても珍しいことでした。それもあって、「トヨタ:2000GT」の登場は国内外で大変センセーショナルな出来事となりました。
予想落札価格:5,000万円~6,000万円
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「シボレー」社のトップグレードとして発売されたのが「ベルエアー」で各メーカーが挙ってクロームパーツの多様やボディサイズの大型化等、豪華仕様のラインナップを追加し、「シボレー」のパッセンジャーカーで「210」、「1500」等の廉価モデルとボディはほぼ同じというボディサイズです。
当時の高級アメリカ車の象徴と言える2トーンの塗装やダグマーバンパー、装置面ではヘッドランプ自動減光装置、「トヨタ」ものちに真似をし「トヨグライド」として実用化に至ったパワーグライドと呼ばれる遊星ギアを用いた2速の自動変速装置を「シボレー」社が開発しました。
「シボレー・インパラ」へフラッグシップの座を渡すまでの「トライシェビー」の前身モデルとなる進化著しいアメ車の象徴とも言える1台です。
予想落札価格:510万円~570万円
アメリカのスポーツモデルの代表格として代表される「シボレー・コルベット」。その「シボレー・コルベット」は初の2座オープンボディのスポーツモデルとして1954年にデビューしました。
スチールラダーフレームにFRPのボディを架装しスモールブロックの祖ともなる「283(4,600cc)V型8気筒」エンジンを搭載、後の「コルベット」の象徴とも言えるダックテールのリアエンドを持つ1961年モデルがオークションに登場となっています。
本国アメリカにてフルレストア日本に入港後、現在の日本の道路事情に合わせたパワーステアリング・クーラーをアップデートしています。「C7 コルベット」へ繋がる「コルベット」の源流とも言える「C1」シリーズのビックマイナーチェンジモデルです。
予想落札価格:760万円~820万円
スプリントと呼ばれるクーペモデルはベルトーネでデザインされることが多かったがオープンモデルのスパイダーはスプリントよりもホイールベースが短縮されピニンファリーナの手によってデザインされたモデルです。
「アルファロメオ」社のお家芸とも言えるアルミ合金のDOHCヘッドを持ち、1900シリーズで量産メーカーとして認知されたジュリエッタの誕生でイタリアの他の量産メーカーとは一線を画くスポーツカーメーカーとしての足掛かりとなりました。
このジュリエッタが戦後の「アルファロメオ」社そのものと言えるモデルとされています。
予想落札価格:720万円~820万円
「シェブロンB16」とネーミングされた新しいグループ6は1969年9月7日のニュルブルクリンク500kmにおいて、ブライアン・レッドマンの手に託されたワークスマシンがデビューを飾っています。そして見事にデビュー戦において優勝を記録しました。市販を前提としたブランニューレースカーとしてこれ以上は無い見事なデビューを飾った「シェブロンB16」は翌1970年にかけて23台が生産されています。搭載されるエンジンは、「フォードCOSWORTH FVC」などをメインに据えられた「B16」でしたが、この個体は「FORD製V型6気筒(2.01)」エンジンが搭載されています。1970年のルマン24時間レースでは日本製で初、マツダのロータリーエンジンを搭載した「B16」が出走したことでも有名です。ハヤシレーシング製の特注ホイールも絶妙にマッチした70年式と思えないコンディションの1台となっています。
予想落札価格:2,000万円~2,500万円
■イベント概要 ART HARBOR OSAKA「CLASSIC CAR AUCTION」at GLION MUSEUM
●開催日時: 【オークション】 [EVENING AUCTION] 2018年11月30日(金)17:00~ [DAY AUCTION] 2018年12月1日(土)11:00~ ※オークションご参加は入札者(ビッダー)登録が必要 【下見会&アートフェア】 2018年11月23日(金・祝)~11月29日(木)12:00~20:00
●開催場所:GLION MUSEUM 大阪市港区海岸通2‐6‐39(赤レンガ倉庫内)
●入場料 下見会&アートフェア&ミュージアム入場料 ¥2,000 オークション入札者登録料¥30,000 ⇒ 初回参加特典 50%OFF ¥15,000 ※登録後は以降のオークションもご参加可能
●主催:ART HARBOR OSAKA実行委員会
公式ホームページ :https://www.artharborosaka.com 公式インスタグラム:@artharborosaka 公式フェイスブックページ:@artvarborosaka