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先日、「キャロル・シェルビー」が所有していた1966年製のコブラ「CSX3015」がオークションに登場予定とのことが明らかになりましたが、今回も記事キャロル・シェルビー」が実際にドライブした「シェルビー・デイトナ・クーペ(1965年/CSX2469)」が中古市場に登場です。今回は、オークション形式ではなくプライベートセールとのことです。「デイトナ・クーペ」は「シェルビー・デイトナ」とも呼ばれますが、「ACコブラMK II」のシャシーにクローズド(ファストバック)ボディを装着した車両です。
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「シェルビー・デイトナ・クーペ」のベースとなる「ACコブラ」は高いコーナリング性能を持つものの、長い直線を持つル・マン(サルト・サーキット)等では「フェラーリ・250GTO」等のライバルに比較してトップスピードが伸びず苦戦していました。そこで「キャロル・シェルビー」が「ピート・ブロック」に依頼してこのボディ形状が実現したとされています。実際のところル・マン24時間レースではミュルザンヌ(ストレート)で「フェラーリ・250GTO」に比較して圧倒的な速さを誇った記録されているようです。
今回、登場している「シェルビー・デイトナ・クーペ」は合計6台が製造され、1964年から1966年にかけてル・マン、デイトナ、セブリング等世界中のレースで活躍していますが、「デイトナ」の名(正式名称ではなくニックネーム)は「デビュー戦がデイトナだったため」です。エクステリアデザインにおいてはリアエンドを切り落としたデザインの「コーダトロンカ」形状が特徴的です。なお、この「シェルビー・デイトナ・クーペ」は華々しい戦績を残すも1966年以降はその活躍の場を狭めることになりました。その理由は「キャロル・シェルビー」がフォードとのジョイントによって、「フォード・GT40」によるル・マン24時間参戦に集中する必要が生じたためです。この当時の状況は、映画「フォードVSフェラーリ」で描かれています。
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1966年のル・マン24時間耐久レースで「フォード・モーター」が「フェラーリ」を打ち負かし、1位から3位まで独占する劇的なフィニッシュを遂げた、あの伝説的レース。ちなみに、1960年代は、「フェラーリ330」や「フェラーリ250GTO」がトップマシンとして常勝していた「フェラーリ」が大きな存在感を表していた時代でした。そこに「フォードGT40」が現れ「フェラーリ」の牙城を打ち壊したのでした。それが伝説の1966年のル・マン24時間耐久レースだったのです。1964年、「フェラーリ」は強力なライバルである「シェルビー・デイトナ」の出現に備え、「フェラーリ250LM」をGTクラスへ投入する予定でした。「フェラーリGTO」の公認取得の際に通用した「エボリューションモデル」という理屈を今回も持ち出したが、エンジンレイアウトが異なる点(GTOはFR、LMはミッドシップ)などから受け入れられず、GTクラスの公認を得られなかった。また、250LMの戦闘力も熟成が進む1964年後半までは高くなかった。そこで急遽250GTOを3台増産、さらにGTO62-63に改良が加えられました。
今回販売されている「シェルビー・デイトナ・クーペ」は「6台のみが製造された」オリジナルではなく、「コブラ・ロードスター」をクーペ化したものです。ただしそれを行ったのは「キャロル・シェルビー」本人とのことなので、コンバージョンされた個体といえど非常に高い価値を持つのは間違いないと言えそうです。
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なお、この車両はデイトナ、セブリング等での優勝経験があるもののル・マンで24時間レースでは残念ながら勝利をおさめることは出来ませんでした。レストアや補修歴については公開されておらず、エクステリアの状態やエンジンなどの駆動系などは問い合わせないとわからない状態です。それでも見たところ「新車」といってもいいほどのコンディションを持ち、比較的最近にレストアが行われたのかもしれないということです。エンジンルームも非常に美しい状態です。
ちなみに「シェルビー・デイトナ」の復刻版(コンティニュエーションモデル)はシェルビー・アジアにおいて購入が可能で、価格は1860万円に設定されています。