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映画『007』シリーズに登場した「アストンマーティン・DB5」と言えば、大変有名で誰もがまず思い浮かべると考えられるのが「007 ゴールドフィンガー」かもしれません。「アストンマーティン・DB5」は歴史に残る名車といわれていますし、まさに名画の組み合わせということになるでしょう。
「アストンマーティン・DB5」:スペック
エンジンは、シリンダーのボア(内径)を「アストンマーティン・DB4」のものから4mm拡大した、ボア(内径)96.0mm × ストローク(行程)92.0mmの排気量:3,995ccで水冷直列6気筒オールアルミ製DOHCエンジンを搭載しています。スタンダードモデルは3基のSU製キャブレターから最高出力:282hpを、トップモデルのヴァンテージ仕様は3基のウェーバー製キャブレターから最高出力:314hpを出力するスペックを誇ります。トランスミッションは当初は親会社のデヴィッド・ブラウン製のオーバードライブ付4速MT、後にはZF製5速MTが標準であり、ボルグワーナー製ATもオプション設定されていました。エクステリアデザインは「アストンマーティン・DB4Sr.5」との変更は殆どないが、装備類の充実からか車重は116kg増の1,470kgとなっています。
主役の「ジェームズ・ボンド」が「アストンマーティン・DB5」でカーチェイスを繰り広げる作品はそれだけではありません。映画プロデューサーは、「ピアース・ブロスナン」氏という俳優を、成功したかつての「ショーン・コネリー」氏と同様に「ジェームズ・ボンド」役として確立させようと、1995年公開の「007 ゴールデンアイ」で「ピアース・ブロスナン」氏に「アストンマーティン・DB5」のステアリングを握らせ、山道を走らせています。「007 ゴールデンアイ」で「ピアース・ブロスナン」氏が演じる「ジェームズ・ボンド」は、白い「フォード・マスタング」ではなく、女優の「ファムケ・ヤンセン」が運転する、伝えられるところによるとレンタカーの、赤い「フェラーリ・F355」と、カーチェイスを演じています。映画の公開から数年後の2001年に、この「アストンマーティン・DB5」は「20万ドル(約2,212万円)」で売却されました。映画で実際に使用された正真正銘のボンドカーであることを考えれば、それほど途方もない金額には聞こえないかもしれないが、当時、ボンド関連のコレクションとして売却された品物の中では最も高額だったようです。
2010年10月には「ゴールドフィンガー」の「アストンマーティン・DB5」がオークションに出品され、「291万2,000ポンド(現在のレートで約4.3億円)」という金額で落札されたそうです。しかし、この夏「007 ゴールデンアイ」の「アストンマーティン・DB5」がこれを超えることはないと予想されています。このクルマは、イギリスの国立自動車博物館など、いくつかの博物館に展示されてきた個体です。
「RMオークション ボナムズ」は、この「007 ゴールデンアイ」に登場した「アストンマーティン・DB5」を、7月13日に「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で開催されるオークションに出品する予定です。予想落札価格は「120万から160万ポンド(約1.8億円から約2.4億円)」と、「007 ゴールデンフィンガー」の「アストンマーティン・DB5」が落札された額の半分ほどにしかないと予想されています。