「テクノプロスピリッツ」社が手掛けた「AE86」は、エンジンは1.6Lのままハイカム&ハイコンプ化した4連スロットル仕様となっています。パワーウインドウやオートエアコンなどの快適装備もフル搭載で、完全なストリートスペックだということです。
「4.5A-Gとか5A-Gにする手もあるけど、いわゆるカムに乗るという感覚が一番ハッキリと味わえるのがこの仕様。確かに排気量アップをすればトルクは出るけど、ドラマチックな吹け上がりはこちらが一枚上手だよね」とコメントしています。最高出力は180psほどとのことです。このカスタムマシンをドライブした「谷口信輝」氏は、次のようにコメントしています。「19歳から5年くらいハチロクに乗っていたんだよね。60万円のボロにデフとか入れて70万円だったかな。ポテンシャルは低かったけど、すごく愛着があった。それから、かれこれ4台も乗り継いだよ。パワーはないし足回りもチープだけど、ハチロクの良さは、それらのバランスがよくて乗っていて楽しいこと。ドライバーを鍛えてくれるクルマなんだよね。ハチロクは腕がないと速く走らせられないんだよ。ドリフトするにも、ちゃんとクルマの挙動を理解していないとダメだし。そういったところがドライバーを育てるって言うのかな。今のクルマって電子制御が凄いから“操る楽しさ”って感じにくいんだけど、ハチロクはアナログの極みだからさ。だからこそドライバーは“どうやったら速く走らせられるか?”を考えるようになる。その作業って非常に重要なんだよ。オレのドラテクの基礎を作ったのは、間違いなくハチロクだと思うし。このテクノプロスピリッツのマシンからも、そんなハチロクの良さがビシバシ伝わってきた。トルクもあるし、吸気サウンドもやる気にさせてくれる! カムが効いていると思うんだけど、高回転までよく回って気持ちよく走れるんだ。かなりツウな仕様だと思うよ。オレも1台手に入れられるなら、こんなハチロクが欲しいなぁ。コンディションの良さにも驚いた。後期のAPEX仕様で、しかもパワステやパワーウインドウ、オートエアコンまで付いている。内装やリヤシートまで! 状態がいい個体が少なくなってきたから長生きして欲しいよね」
「テクノプロスピリッツ:AE86」:スペック
- エンジン:4A-GZ改換装(180ps)/戸田レーシング 鍛造ピストン、288度カム/AE101用4連スロットル流用/テクノプロスピリッツ EXマニ、マフラー、フリーダム(現車セッティング)/永井電子 プラグコード
- ドライブトレイン:機械式LSD
- サスペンション:テクノプロスピリッツ 車高調
- ホイール:ボルクレーシングTE37V(8J×15)
- タイヤ:ディレッツァZIIスタースペック(205/50R15)
- エクステリア:純正リップスポイラー、リヤウイング 他
「カローラレビン後期」をベースとしており、外装はノーマル。街乗りからサーキットまで万能にこなし、オーナードライブで筑波サーキットのベストは1分7秒台ということです。帰省のために東京から福岡まで何度も自走しているというが、高速の燃費は15km/Lと意外によく走るということです。
肉厚で強度的にも有利な「4AG-Z」の腰下にハイカム&ハイコンプ仕様のヘッドを組み合わせたエンジンは約180psを発揮するスペック。エキマニは4-1集合タイプで、サーキット走行に備えオイルキャッチタンクも設置されている。スロットルはAE101用の4連を流用し、燃調コントロールはフリーダム。今の技術を使えばハイカム付きの仕様でエアコンを入れても普通にアイドリングさせることが可能なのです。
1万rpmスケールのタコメーターが目を引くコクピット周り。レカロのフルバケやナルディのステアリングもセットされています。内装やリヤシート付きなのはもちろん、パワステ&パワーウインドウ付きなのもポイントです。
足回りはテクノスピリッツオリジナル車高調で、ホイールは旧車に合わせてデザインされたTE37Vをセット。タイヤはディレッツァZⅡスタースペックを装着する。近頃のラジアルタイヤはグリップ力が高く、筑波を走っても楽しいそうです。