あわせて読みたい記事:【GRスーパースポーツコンセプト】ルマンをハイパーカーで参戦?
あわせて読みたい記事:【GT-R50 by Italdesign】日産がGT-Rの50周年モデルを発表
あわせて読みたい記事:【コンセプトモデル:スポーツカー編】市販が期待された車リスト1
「イケヤフォーミュラ」が公開している「IF-02RDS」というマシンは、「モータースポーツの世界から、路上へ」をコンセプトに開発・製造されています。2013年の「東京モーターショー」で大きな注目を浴びたマシンですが、当時の技術的なハイライトは、いかにもスポーツカー然としたスタイリングもハイライトでしたが、「IST(Ikeya Seamless Transmission)」と呼ぶシームレストランスミッションが搭載されていることにありました。このトランスミッションはDCTのような複雑な機構を必要とせず、駆動トルク切れのない変速を実現する「イケヤフォーミュラ」の発明品なのです。以後、4年の間に「IF-02RDS」は改良が加えられていきました。搭載エンジンには「ホンダ」のK20A型エンジンである排気量:2.0ℓ直列4気筒エンジンをターボ過給したユニットを車両ミッドに搭載しています。「IST(5速)」と組み合わせて走行できるようドライブトレインは改善されていきましたした。さらに、ナンバープレートを取得して公道走行を可能という過激なマシンに発展していったのです。
「モータースポーツの世界から、路上へ」のコンセプトは完結したことになるものの、実際は終わっておらず、新たなプロジェクトがスタートしていたのでした。展示車両には、量産エンジンベースの4気筒ターボが載っていましたが、まもなく、オリジナルのエンジンに置き換えられることになるということです。それが「新たなプロジェクト」で、自社製の排気量:4.0ℓのV型10気筒エンジンを開発中というのです。将来的には、開発しているV10エンジンを搭載する予定だということです。「IF-V10E」と名付けたV型10気筒エンジンを開発する理由は、「音」のようです。「モータースポーツの世界から、路上へ」がこのクルマのコンセプトですが、それを具現化するにはスタイリングだけでは不十分で、エンジンの音も欠かせないというわけです。その音は、「3.5ℓ・V10時代のF1エンジン」をイメージしているということです。すでに過去の音になって久しい、独特の高回転サウンドではあるものの、大迫力のマシンととなりそうです。サーキットならまだしも、公道を走るクルマがかつてのF1が発していたような大ボリュームのサウンドを撒き散らすわけにはいかないが、「それはね、いろいろ付けたり外したり、切り換えたり……」と「イケヤフォーミュラ」の「池谷信二」代表取締役は温めているアイデアのヒントがあるようです。エンジンの設計・開発は、かつて3.5ℓ・V10の高回転F1エンジンを開発したことのある日本人技術者に依頼しているということです。出力は450kWを見込んでいるが、絶対的な性能を追い求めたV10ユニットではありません。欲しいのは、あくまでもF1の高回転サウンドとというわけです。10気筒なら等間隔爆発になる72度のVバンク角とするのがセオリーだが、見栄えを考えて90度を選択したということです。オリジナルのエンジンを開発するなどコストのかかる大がかりなプロジェクトと考えがちだが、「それほどでもない」と「池谷」氏は考えているようです。少なくともシリンダーブロックはアルミ合金ブロックから精密機械加工(いわゆる削り出し)で製作する予定で、鋳造で製作するより低コストで済む見込みだということです。「ポルシェ」がル・マンカーの「919ハイブリッド」に搭載する2.0ℓ・V型4気筒エンジンで採用している手法です。