【RS・GTS-R】GT-Rの復活のベースとなったスカイライン

この記事は4分で読めます

【RS・GTS-R】GT-Rの復活のベースとなったスカイライン

あわせて読みたい記事:【R31 GTS-Rリーボック】グループAを制したスカイライン

あわせて読みたい記事:【西部警察】 日産が劇中のマシンRSやマシンXなどを公式に公開

あわせて読みたい記事:【シルエットフォーミュラ】火を噴く日産ターボ軍団グループ5仕様

日本の名車、そして伝説的なモデルとして認知されている「スカイライン GT-R」は、モータースポーツ界で49連勝という偉業を成し遂げた初代の「GT-R(PGC10/KPGC10・ハコスカ)」、そして、わずかに生産台数が197台とも言われている「GT-R(KPGC110・ケンメリ)」、そして、グループAで無敵の存在として君臨した「GT-R(BNR32)」、ルマン(LM)仕様まで製作された「GT-R(BNR33)」、そして熟成された「スカイライン」最後の「GT-R(BNR34)」があります。しかし、1973年から1989年の間には「GT-R」が不在となっていました。いや「GT-R」と名乗れなかった2台の名車「スカイライン」があったのです。事実1973年に「スカイラインGT-R」の生産は一旦途絶えました。しかし、「スカイライン」はターボを装着させ日産の高性能「GTカー(ジャパン)」としての役割を担い、走りに魅了されたユーザーから熱い支持を集めることになります。そして、1989年の「ハコスカ・ケンメリ」以来の「GT-R」復活の前に、新たなエンジンを搭載し登場することになる「スカイライン」が2世代ありました。


「RS:史上最強のスカイライン」

1台目は、1981年に登場した6代目モデルの「スカイライン(R30型)」です。デビュー当初は「GT」スポーツとして登場し搭載していたエンジンも「L型6気筒SOHC」と「ハコスカ・ケンメリ・ジャパン」のパワーユニットを継承していました。そして、このスカイライン時代に「RS(DR30型)」というグレードが登場することとなりました。なんと「L型6気筒」から排気量:2,000ccの直列4気筒 DOHC 4バルブの「FJ20型」エンジンを搭載したモデルだったです。「S20型」エンジン以来のDOHC 4バルブエンジンはNAの自然吸気ながら最高出力150PSを誇りました。のちに、ターボチャージャーを装着した「2000ターボRS」を追加します。このターボモデルは最高出力190PSとなり「史上最強のスカイライン」と呼ばれることになります。1980年代のパワーウォーズを牽引し、その後インタークーラー付きの「RSターボC」が登場し、当時としては高出力の205PSというスペックを誇っていました。

  • (出典:www.exart.jp)

この当時の「RS」シリーズと言えば、前期型(通称:三本グリル・半魚人)の赤いクルマがテレビドラマ『西部警察』の劇中車「マシンRS」として登場し子供から大人まで人気となりました。また後期型はフロントグリルのないスタイリングで『鉄仮面』とも呼ばれていました。モータースポーツでも「ハコスカ」以来のカムバックを果たし「スーパーシルエットフォーミュラ(Gr.5シリーズ)」で活躍し「日産ターボ軍団」の一角を担っていました。

では、これほど人気を博した「RS」が「GT-R」を名乗れなかった理由は、どこにあるのか。それは、6気筒エンジンでなかったためといわれています。それゆえに「異端児」としても知られている「スカイライン」ですが、「スカイラインGT-B(S54B型)」からはじまる高性能スカイラインの血筋を引いていることは明らかです。

また、当時の「スカイライン」は、フロントサイドに『GT』や『TI』といったグレード名を記した五角形のバッヂがありました。初代「GT-R(前期PGC10型)」の前身である「スカイラインGT-B」が赤バッヂを採用し、その後は「GT-R」だけが赤バッヂを採用していた中で、この「RS」も赤バッヂだったからです。そして、1989年に登場した3代目「スカイラインGT-R(BNR32)」も赤バッヂを採用しています。


「日産・スカイライン RSターボC」:スペック

  • 年式:1984年
  • 型式:KDR30型
  • 全長 × 全幅 × 全高:4,620mm × 1,675mm × 1,385mm
  • ホイールベース:2,615mm
  • トレッド(F/R):1,420mm / 1,410mm
  • エンジン型式:FJ20ET
  • エンジン形式:直列4気筒 DOHC ICターボ
  • 排気量:1,990cc
  • 最高出力:205PS / 6.400rpm
  • 最大トルク:25.0kgm / 4.400rpm
  • 駆動方式:FR
  • トランスミッション:5MT
  • サスペンション(F/R):ストラット / セミトレーリングアーム
  • ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク / ディスク
  • タイヤサイズ(F/R):205-60-R15

「GTS-R:エンジンとドライブトレインの究極化」

2台目の「GT-R」を名乗らなかったクルマは、1985年に登場した7代目モデルの「スカイライン(HR31型)」モデル末期の1988年に限定車で登場した「スカイライン GTS-R」です。車種名の「S」がなければ「GT-R」になったスカイラインですが、レース参戦用として参戦基準を満たすために800台限定で販売されたクルマです。

  • (出典:www.area-agnes.com)

1988年に登場ということで、翌1989年に登場の3代目「スカイラインGT-R(BNR32)」の開発も完成一歩手前という時期となっています。発表当時は「RB20型」エンジンという直列6気筒DOHCや「GTS」においては70km/hでフロント下部から出てくる「オートスポイラー」が特徴的でした。ツーリングカー選手権のグループAで活躍しましたが、その際の開発が「GT-R(BNR32型)」にもつながったようです。また「GTS-R」においては、「RB型」エンジンやターボシステム、アテーサシステム開発が進み「BNR32型」で完成度の高いドライブトレインとなったようです。「RB」という6気筒DOHCエンジンを搭載し、「GT-R」になる資格はあったのかもしれませんが、エンジンのパワーだけでなく駆動方式がすべて一新されて最先端を行った3代目「スカイラインGT-R(BNR32)」に比べると、開発途上にあったモデルといえます。なお、7代目モデルの「スカイライン」の「欧州ツーリングカー選手権(ETC)」に出場した「GTS-R」は、社内クラブ「日産名車再生クラブ」で2017年にレストア対象となったクルマです。GT-Rを名乗れなかったものの、再生すべき価値のある名車ということが認められ、多くの人の印象に残っているクルマといえます。


「日産・スカイライン GTS-R」:スペック

  • 年式:1987年
  • 型式:HR31型
  • 全長 × 全幅 × 全高:4,660mm × 1,690mm × 1,365mm
  • ホイールベース:2,615mm
  • トレッド(F/R):1,425mm / 1,420mm
  • 車両重量:1,340kg
  • エンジン型式:RB20DET-R
  • エンジン形式:直列6気筒 DOHC ICターボ
  • 排気量:1,998cc
  • 最高出力:210PS / 6.400rpm
  • 最大トルク:25.0kgm / 4.800rpm
  • 駆動方式:FR
  • トランスミッション:5MT
  • サスペンション(F/R):ストラット / セミトレーリングアーム
  • ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク
  • タイヤサイズ(F/R):205 / 60-R15
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カテゴリー

芸能人

特集・まとめ

ランキング記事

管理人:CIMASHIMA

管理人:CIMASHIMA

今となっては思い出となる旧車やカスタムマシンなど、今も気になるマシンは数知れず。そんな世界の名車やカスタムマシンたちの情報をお届けするブログです。