【日産 S20型】スカGとサンマルに搭載レース直系エンジンとは

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【日産 S20型】スカGとサンマルに搭載レース直系エンジンとは

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「日産 S20型」エンジンといえば、ハコスカGT-Rと呼ばれている初代「スカイライン GT-R(KPGC10/PGC10)」、幻のRといわれているケンメリGT-R「スカイラインGT-R(KPGC110)」、そして初代「フェアレディZ(S30)」に搭載されたレース直径の伝説のエンジンです。

  • (出典:http://automobile-council.com/)(写真は「日産 R380」)

このエンジンのベースとなったのは、「プリンス自動車工業」が開発した純プロトタイプレーシングカーである「日産 R380」に搭載されていたレース用お「GR8型」エンジンで、これをベースに再設計を行い公道で使えるように出力を落としデチューンしたエンジンです。

  • (出典:http://blogs.yahoo.co.jp/)(写真は「G7型」エンジン)

当時の国内ツーリングカーレースで使われていた「S54型:スカイラインGT」の「G7型」エンジンは、カウンターフローのSOHCエンジンであったために1965年から1966年シーズンは、ワークスマシンのみ「クロスフロー(ヘミヘッド)」に改造した「GR7Bダッシュ型」エンジンを搭載しモータースポーツ界で活躍しました。しかし、翌年の1967年のレギュレーション改正で、再び「G7型」エンジンへの変更を余儀なくされてしまいポテンシャルは、低下してしまいました。

  • (出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/)(写真は「GR8型」エンジン)

そのために「日産」では、次期ツーリングカーレースのワークスマシン用として、「日産 R380」に搭載されていた「GR8型」エンジンをベースにしたツインカムヘッドのDOHC直列6気筒エンジンを開発し、1969年に「S20型」エンジンとして、「KPGC10/PGC10型:スカイラインGT-R(ハコスカ)」に搭載しました。 その後においては、「通称:ケンメリGT-R」と呼ばれる「KPGC110型:スカイラインGT-R」と「S30型:フェアレディZ432・432R」にも搭載されました。そして、1973年に48年排出ガス規制に適応できなかったために1973年3月に製造終了となったエンジンです。

  • (出典:http://motorz.jp/)

「S20型」エンジンの詳細

  • ベースとなった「GR8B型」のストロークと比較すると0.2mm短くなっており、オーバーサイズピストンの使用を考慮し、シリンダーボーリングを行っても2リットルを超えないよう、ボアアップなどのチューニングを図ったものでもあります。
  • エンジン設計のベースとした「GR8型」のカムシャフト室は吸排気別室であるものの、「S20型」では同時期に開発されていた「GRX型」系と同様の吸排気同室となっています。
  • カムシャフトの駆動には、1段目ギア駆動、2段目チェーン(ダブルローラー型)駆動の二段階分離式を採用しています。これは抵抗が少ないギア駆動をタイミング調整にあまり関わらない一時出力とする事により、チェーン入力ギアの位置をカムシャフトに近づけ極力チェーンを短縮するためで、駆動抵抗と伸び率の低減も実現しています。また、チェーンの張り調整は都度テンションギアを適切な位置へ移動・固定して行う設計です。これは、一般的な三日月形スライダーにより自動調整式に伴う駆動抵抗を排除するた狙いがあるということです。
  • ウォーターポンプで圧送される冷却水はブロック内のウォーターラインへは直接導入されるのではなく、一度外部のウォーターマニフォールドへ送られ各シリンダーへ個別に分配される設計となっています。これこそレーシングエンジンによく見られる設計でありで、気筒別の冷却不均衡を排除しています。
  • 鋳鉄製のシリンダーブロックにはライナーを嵌め込むシリンダー本体がなく、ブロックにシリンダーライナーを直に打込むウェットライナー方式を採用しています。これはライナーが冷却水に直接触れることによる高い冷却効果を狙ったものです。
  • 標準の点火プラグは「NGK・B7ES」で、市販乗用車に搭載されるエンジンとしてはかなりの冷え型が設定されています。
  • クランクシャフトベアリングキャップは、下からだけではなく、左右からもシリンダーブロックと締結する構造になっています。このサイドボルト併用方式はレーシングエンジン独特のシステムであり、高回転時におけるクランクシャフトの捻じれを極力抑える効果があります。
  • ヘッドボルトの取付本数は同排気量の「L20型」と比較して、2倍の設計です。
  • エンジンのオイルフィルターは、当時主流の一体式(スピンオン式)ではなく、カートリッジ式であり、交換の際には上下ワッシャーの装着に注意が必要であり、油圧管理に重要な設計となっています。
  • シリンダーヘッドは、アルミニウム鋳造製でピストンはアルミニウム合金製を採用し、エキゾーストマニホールドは、ステンレス鋼製の等長タイプのいわゆる「タコ足」が標準装備となっています。
  • メンテナンスフリーと高回転域での追従性を高めるために日本初になる三菱製フルトランジスタ・イグナイターを採用した点火システムです。
  • 街中での扱いやすさを考慮して、最大出力:160PSとしたが、カムシャフトを高回転型に交換し、キャブレターをレースオプションであったミクニ製ソレックス44PHHもしくは、ウエーバー製45DCOEにするだけで最大出力:200PS前後まで簡単にチューンアップできると言われました。さらに「KPGC10型」のワークスカーでは、燃料供給をルーカス社製の機械式インジェクションに交換しており、最終的には最大出力:250PS~260PSまで発揮していたということです。しかも、常時9,000rpmまで回しても壊れない耐久性を持っていました。
  • 通常のエンジンでは、シリンダーヘッドのポートとインテークマニホールドの部分に少なからず段があるが、「S20型」の場合はこの部分も綺麗に研磨が施されており、組立も職人による手作業で行われていました。そのために1日当りの生産台数はわずかに4機までとなっていました。
  • エンジン単体価格は70万円と、当時では非常に高価なエンジンでした。
  • 当時の市販エンジンとしてDOHC 4バルブが採用されていましたが、このシステムを採用していたことは世界的なスポーツカーとして知られるフェラーリや純レーシングカーにすら2バルブが見られたことからしてもスペシャル市販エンジンだったといえます。 
  • シリンダーヘッドは、「K型」、「K2型」~「K5型」という数種類が存在しています。このうち、「K型」と「K5型」は試作品です。さらに「K3R型」というレース専用ヘッドも存在しています。
  • 現在まで見ても珍しい多球形燃焼室を採用しています。
  • 燃料供給は当初「S54型」と同じ「ウェーバー社」のキャブレターを予定していましたが、供給体制に問題があり「三國工業(現・ミクニ)社」が「ソレックス」製のライセンス生産を行ったことから「ソレックス」を採用しました。
  • エンジンオイルの容量が6リットルと排気量:2.0リットルの直列6気筒エンジンとしては多いのも特徴です。これは潤滑と冷却を兼ねていたためです。

「S20型エンジン」:スペック

  • (出典:http://nzeder.net/)
  • エンジン型式:S20型
  • 冷却システム:水冷
  • エンジン形式::4バルブ DOHC リフタ直駆動式 直列6気筒
  • ボア×ストローク:82.0mm×62.8mm
  • 総排気量:1,989cc
  • 圧縮比:9.5
  • 最高出力(グロス):160(155)PS/7,000rpm ()はレギュラーガソリン仕様
  • 最大トルク(グロス):18.0(17.6)kgf·m/5,600rpm ()はレギュラーガソリン仕様
  • 使用燃料:有鉛ハイオクガソリン
  • 燃料供給装置:ミクニ製 ソレックスN40PHHキャブレター ×3
  • オイル容量:6リットル
  • エンジンサイズ:810mm×720mm×630mm
  • 乾燥重量:199kg

S20型エンジン搭載車

  • 「スカイライン2000GT-R(PGC10型)」
  • 1969年~1970年(セダンボディの通称:ハコスカGT-R / 製造台数:832台)
  • (出典:http://jota-garage.com/)

  • 「スカイライン2000GT-R(KPGC10型)」
  • 1970年~1972年(ハードトップの通称:ハコスカGT-R / PGC10型に対してホイールベースを70mm短縮されたS20型エンジンのポテンシャルを引き出すために開発されたモデル。製造台数:1,197台)
  • (出典:http://www.bingosports.co.jp/)

  • 「スカイライン2000GT-R(KPGC110型)」
  • 1973年1月~4月(ハードトップの通称:ケンメリGT-R / 製造台数197台、うち試作車2台)
  • (出典:http://www.bingosports.co.jp/)

  • 「フェアレディZ432(PS30型)」
  • 1969年~1972年(S20型の特徴である4バルブ3キャブレター2カムシャフトから命名されたモデル / 製造台数419台)
  • (出典:http://www.bingosports.co.jp/)

  • 「フェアレディZ432R(PS30SB型)」
  • (フェアレディZ432をベースにしたレース対応車で100kg近い軽量化が施されています。レースライセンス保持者のみに販売されましたが、1972年に「L24型」エンジン搭載の「フェアレディ240Z」が発売され人気も移行したことで10台程度の売れ残りが発生し一般販売されました。生産台数:推定30数台)
  • (出典:http://microdepot.cocolog-nifty.com/)
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名前:シマシマ 
出身:福岡(1979年生)

博多の豚骨ラーメンと博多明太子で育ち、自然界に興味を持ち、島の生活に憧れ、国境の島「対馬」に移動。現在、「自営」を行なっており、家族で島の美しい海や山、面白い動植物に囲まれ、島のライフスタイルを楽しんでいます。車やバイクも好きなので趣味で遊んでいます。島のライフスタイルや気になる情報などをご紹介しています。